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当ブログでは、日本語と英語で、全身の悪性腫瘍の検出に有用性があるMRI検査を紹介します! 

MRIは、従来のCT検査と比較して、形態だけでなく良悪性疾患の質的解析が可能です。PET/CT検査と比較して、MRIは治療効果の早期評価が可能で、費用も安く、放射性同位元素を必要としません。
このブログでは、エビデンスに基づいて、MRI拡散強調画像が肺腫瘤の良悪性の鑑別、肺癌のN因子、M因子、病期の診断、血管浸潤および縦隔浸潤の評価、肺癌に対する化学療法および放射線療法の効果判定、およびに縦隔病変や胸膜病変の良悪性の鑑別に有効なことを示しました。
実は、MRIの拡散強調画像は、脳梗塞の早期診断にだけではなく、胸部、腹部および乳腺・婦人科領域・泌尿器領域の悪性腫瘍の診断にも有用であり、骨転移を含めた遠隔転移診断も可能となっています。
全身のがん病変を、1回の検査で検索するMRI検査のDWIBS(ドゥイブス:Diffusion-weighted whole-body imaging with background suppression 背景抑制広範囲拡散強調画像、全身性拡散強調画像)では、PET-CTと同様にがん病変を検出することが可能で、がん病変は白く光るため認識が容易です。
一言でいうと、DWIBSは放射線被爆のない安価なPET-CTとも言えます。PET-CTと、DWIBSはほぼ同じ成績で、DWIBSがPET-CTより上回るものもありますし、PET-CTがDWIBSを上回るものもあります。

 MRI研究に興味のある読者の皆様に、本ブログが少しでもお役に立てれば幸いです。

肺がんの胸部CT画像(左)とMRI拡散強調画像(右)
MRI拡散強調画像では、病変部位が光って同定できる。