DWIBSによる肺癌の再発・遠隔転移の検出は可能です!

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DWIBS FOR DETECTION OF RECURRENCE AND METASTASIS AFTER SURGERY OF LUNG CANCER 

我々は、DWIBSが肺癌術後の再発・転移をより高い精度で検出できることを報告しました。

Usuda K, et al. Diffusion‐weighted whole‐body imaging with background suppression (DWIBS) is effective and economical for detection of metastasis or recurrence of lung cancer. Thoracic cancer 2021:12 (5):676 – 684. doi: 10.1111/1759-7714.13820. 

要旨:
背景:背景抑制拡散強調全身画像(DWIBS)は、癌の診断および病期分類に用いられる。DWIBSを含むMR検査の医療費は123ドルで、F18-fluorodeoxyglucose positron emission tomography/computed tomography (FDG-PET/CT)の費用(798ドル)よりも80%安価である。方法:本研究では、肺癌切除後の再発に対するDWIBSの有効性を検証した。肺癌の肺切除を受け、術後6ヶ月ごとにコンピュータ断層撮影(CT)を実施し、DWIBSおよびFDG-PET/CT(毎年)を実施した患者55名を本研究に登録した。CTスキャンで転移病変が検出された患者には、DWIBSおよびFDG-PET/CTも使用した。結果:肺癌の肺切除を受け、術後経過観察中にCT、DWIBS、FDG-PET/CT検査を実施した患者55名を本研究に登録した。32名で肺癌が再発した。術後のX線検査では、17例に肺転移、7例に骨転移、5例に肝転移、5例にリンパ節転移、4例に胸膜転移、2例に胸壁転移、2例に脳転移、1例に副腎転移、1例に腎転移が認められた。再発時の平均見かけ拡散係数(ADC)は0.9 to 1.70 × 10−3 mm2/sであった。DWIBSによる多発転移病変の検出精度は0.98(54/55)で、CTの0.94(52/55)やFDG-PET/CTの0.94(52/55)より高い可能性が高かったが、有意差はなかった。【結論】DWIBSは、1回の検査で全身の多発転移病変を検出し、悪性腫瘍と良性腫瘍を鑑別することができる。 DWIBSは診断精度に優れ、再発検出にかかる医療費も抑えられるという利点があります。DWIBSは、肺がん切除後のFDG-PET/CTに取って代わる可能性を秘めています。

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